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コラム

column

2024.01.25

THPについて

THPって何?

THPとは「トータルヘルスプログラム Total Health Program」の略称で、菌の数をコントロールする治療法のことで、歯周病の原因の元となる細菌を除菌し、再発を防ぐための歯周病特化治療のことです。

歯垢・歯石は、歯ブラシやフロスなどホームケアでは取り除くことができず、歯科で定期的に除去といった予防法しかありませんでした。進行を遅らせることはできても、止められない、と考えられていた病気です。しかし、THPによってホームケアや保険治療では手が届かない歯茎の下の歯周病原菌を極限まで減少させることができるようになりました。

歯周病と全身疾患

バイオフィルムの中に潜む歯周病菌は、毒素や細胞組織を破壊する酵素を出しています。これらの毒素や酵素は、歯肉に炎症を引き起こし歯肉の細胞に侵入します。出血した歯肉の血管を通じて全身の臓器へ影響を及ぼすのです。

唾に混じった歯周病菌が、誤嚥し気道に流れると肺炎を引き起こす可能性があります。歯周病菌が出す炎症物質が子宮を収縮させ、低体重児出産、早産のリスクが高まります。また、歯周病菌が出す炎症物質が血糖値を下げるインスリンを効きにくくし、糖尿病が発症・進行しやすくなります。

なぜ当院でTHPを取り入れるのか。

私たちは木を見て森を見ずという状態ではなく、根本的治療を目指しています。木(起きている症状)だけにとらわれず、森(口腔内全て)を1つの単位としてとらえて再発を防ぎ、健康な状態を長く維持していただきます。その一つの治療法としてTHPを取り入れています。

■当院の衛生士にインタビューしました。

Q.歯周病治療において患者様に対する思いを教えてください。

虫歯治療をどれだけしていても、歯周病が原因で歯が抜けてしまっては意味がないと考えています。以前、介護施設に訪問していたことがあります。認知症の軽度1と診断された方の中でも、歯がある人は1か月前に話したことを覚えていましたが、歯がない人は来たことすら覚えていませんでした。歯がある人とない人で全く違うということを実感し、患者様にはこのような状況にならないように、メンテナンスを行うだけでなく、THPのお声がけもしています。「あの時ちゃんと歯医者に行っていれば良かった」という後悔の声を何度も耳にしていたり、全身の健康に影響があると分かっているからこそ、一人ひとり誠意をもって診療しています。

繰り返しの治療をやめましょう!

口腔内の環境は人それぞれで、歯周病になりやすさや、菌の環境も違います。「歯周病は部分的な処置を行っても根本的には治らない」「処置した周辺から細菌が繁殖し次の疾患を生んでしまう」……そこで再発を防ぐには口腔内を悪い菌のいない状態にしてから処置することがポイントとなります。

歯を失うリスクを下げること、歯周病による全身疾患の予防のために、口腔内環境をコントロールしていきましょう。

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